視覚障がい者の方たちの、新しい観戦体験をつくる。
サッカーを基にした視覚障がい者スポーツ、ブラインドサッカー®。
このブラインドサッカー®を視覚障がい者の方が観客としても楽しめるように。
一番の課題はフィールドで何が起きているのかがわからないこと、
視覚以外の情報でリアルタイムに戦況を体感できる仕組みが必要でした。
プロジェクトパートナー:
渡邊淳司(日本電信電話株式会社):KICK TAP 企画・技術、WOW BALL 企画
林 阿希子(日本電信電話株式会社):WOW BALL リサーチ
” HAPTIC FIELD”
膝の上に載せ小さなフィールド上を手で触ることで、
リアルタイムにボールの動きを体感できます。
” KICK TAP”
実況音声に振動という要素を加えることで、
選手の躍動感を感じられる小型触覚デバイスです。
” WOW BALL”
「握る」という動作によって、空気伝達で応援の
盛り上がり、試合の興奮を直感的に共有できます。
手で観る観戦体験を、サッカーに。
2020.10.18
2020年10月18日に等々力陸上競技場で行われた明治安田生命J1リーグ第23節川崎フロンターレ対名古屋グランパス戦において、Jリーグクラブとしては初めて、触覚デバイスを活用した視覚障がい者向け観戦体験会を実施。そこでHAPTIC FIELD、KICK TAP、WOWボールを体験して頂きました。
この日は、夫婦揃ってサッカーファンという米田幸弘さん・真由美さんご夫妻と、ブラインドサッカー®の日本代表選手 田中章仁さんがスタジアムに来場。
試合後には
「思っていたより試合内容がわかって楽しく観戦することができた。」
「視力が落ちてきてからは、試合を観戦する機会も減ったが、このシステムを利用すれば色々なスポーツも観ることが出きるし、とても楽しくなると思いました。」など、試合を楽しめたことを喜ぶ感想を語ってくださいました。
当日、等々力陸上競技場に訪れていた、Jリーグタイトルパートナーである明治安田生命の根岸社長、Jリーグ村井チェアマンもHAPTIC FIELDを体験。ともに「テクノロジーの進化により、スポーツ観戦の体験や楽しみ方の可能性が拡がったと感じた」と、期待のこもったコメントを頂きました。
ブラインドサッカー®の新しい観戦体験テスト#2
2019.12.8
町田市立総合体育館にて行われた試合で
前回のテストを経て改善したプロトタイプのテストを行いました。
前回同様、実際に視覚障がい者の方に体験いただき
それぞれ以下の点を検証しました。
HAPTIC FIELD
-筐体を大幅に小型化した試作2号機のテスト
-複数台(2台)の初運用
-表面のテクスチャテスト
-ゴールにくぼみをつけ
「ゴールに入ったか」「キーパーが止めたか」をわかりやすく
-タッチラインを超えたときにボールの突起が消えるように
-ボールタッチを振動に反映
KICK TAP
-通信範囲テスト
-操作用UIの改善
-振動提示方法の改善
-振動バリエーションテスト
-ラジオ実況あり/なしでの体験検討
WOW BALL
-触覚の内容(種類)のルール決め
-ラジオ実況あり/なしでの体験検討
ブラインドサッカー®の新しい観戦体験テスト#1
2019.7.7
調布のアミノバイタルフィールドにて行われた試合で
「HAPTIC FIELD」「KICK TAP」「WOW BALL」
3つのブラインドサッカー®の新しい観戦体験を用意。
ブラインドサッカー®選手、田中章仁さんをはじめ
競技経験のある方、初めてブラインドサッカー®を観戦される
視覚障がい者の方々にテストしていただきました。
技術的にはそれぞれの体験において以下の点を検証しました。
HAPTIC FIELD
-試作1号機のリアルタイム制御を初運用
-2台のカメラによるリアルタイムでのボール位置トラッキング
KICK TAP
-リアルタイム初運用
-通信遅延テスト
-操作用UIの実装
-振動提示方法の検討
WOW BALL
-ラジオ解説と合わせたリアルタイム初運用
-触覚体験方法テスト